作品の感想を考察で裏付けるブログ

というのは名ばかりの、あまりにも煩雑なブログ

私に年上好きを気づかせた人、風岡麻理

私の美少女ゲームとの出会いは天神乱漫だった。中一の時だった。安心してくれ、全年齢版だ。

好きなキャラは元気な同級生の葵、先輩のまひろ、先生の紫の三人だった。

一番はなんとも決めがたい。ただ葵は他二人に比べると一歩劣っていた気がする。

思えばこの頃から俺は、年上が好きだったのかもしれない。

しかし現実においては、ねーわとずっと思ってきた。

ただ去年くらいだろうか、私は年上が好きなんだと自覚した。

元からそうだったのか、最近変わったのかは定かではないがもはや知りようは無い。

年上と言っても熟女ではない。最高でも五つ上くらいが限度だ。

下は17歳までならギリギリ恋愛対象だ。清い愛があるし向こうの親に了解をもらうからこれは犯罪思想ではない。

それにこれは自慢だが、私はまだ若いので大した年齢差にはならない。まだまだJK相手でもやれる。やれるはずなんだ。機会さえあれば。

それはいいとして、自覚した理由について話すには高1まで戻らないといけない。

あれは冬だった。WA2というコンテンツに出会った。そして今思うと、これが私が道を踏み外した第一歩だったのだろう。

初めはアニメの放送が開始されたからだった。私はたいそうそのストーリーを気に入り、VITA版が発売されるやいなや買ってプレイし始めた。

覚えたてのサルのようにやりまくっていたあの冬休みが懐かしい。

その時一番最初に好きになったのは千晶だった。ただ彼女は……当時の私には御しきれるべくもなかった。

次に好きになったのは小春だった。その時私は、しっかりした年下キャラ最強!!と思いながらプレイする16歳という矛盾存在だった。

ちなみに雪菜はあまり異性的として好きになれなかった。人としては尊敬しているし、大好きなのだがこればっかりは相性である。

そして全クリしたあとで一番好きだったのは……やっぱりかずさだった。

私は結局のところ、春希と同じ穴の狢のようだった。

それから二年後、私にまたホワイトアルバムの季節がやってくる。

この時はまだ小春と同学年だったので私はまだ矛盾存在でいることができた。

ただプレイしたのはかずさtrueだけだった。はじめは雪菜trueをやろうと思っていたのだけれど、やっぱり気づいたらかずさを選んでいた。ごめんな、雪菜。

それからさらに二年後、大学二年となった私にまたしてもやってきたその季節。

どうせまたしてもかずさとウィーンに行く羽目になるんだろうなあ。ああやっぱり。だってまた飛行機乗ってるしな。これから泣くけど次陸を踏むときはもう泣いていられないぞと思ったらデトロイト経由でニューヨークに着いてた。

一人で飛行機に乗ってた時点で気づくべきだった。

ただこれでようやく魔女の呪いを断ち切り、他の女を愛することに成功したのだ。

それがよもや麻理さんになるとは思いもしなかったが。

だって初回プレイ時に一番印象の薄かったルートが四年たっただけで一番になるなんて考えられるか?春希みたいに五年経っても忘れらんないし、一生引きずるけどこの気持ちごと、よろしくって結婚相手に言う準備だってしてたのに。

四年の間に何が起きたのかは定かではない。ただ私は麻理さんに目覚め、年上に目覚めた、のが間違いだった。

推しの変わった私は謎の喜びに震え、そのとき成人を果たしたばかりだったこともあり、よし一発やってやろうと思い、WA2 Extended Editionを予約、購入し晴れて初エロゲをプレイし始めたのだった。

勘のいい方は成人とエロゲに何の関係がと思ったかもしれない。この時私は何故だか18禁は成人しないとできないと考えていた。酒とかたばことか車とかいろんな制限のあるものがごっちゃになって何が何だかわからなくなっていたのだ。ただ18禁なのにハタチになるまでできない、とはこれどういうことだったのだろう。当時の私には是非とも説明責任を果たしていただきたいものだ。

それはともかく、この歴史的エロゲデビューが私が道を踏み外した決定的な一歩だった。それまでは道の横の茂みあたりを歩いていたが、今私の目には見果てぬ荒野が映っている有様だ。

まず頭から全ルートをやったのは当然として、半年で麻理ルートとかずさtrueを二回ずつやり、うち一回ずつはicからノートに詳細な考察をつけながら行い、その分量は五冊を数えた。

それでも未だに私はWA2の全てを理解できたとは思っていない。

確かに今回の研究でかなりの部分を把握し、私の血肉に変えられたという自負はある。

しかしWA2はあまりに繊細で、複雑で、膨大だ。もちろんただ繊細で、複雑で、膨大なわけではない。それはまるで自然界にみられるフラクタルのように厳然たる秩序を感じさせるのだ。同時に何か大きな流れが後ろにあり、見えているものが全てではないということも感じる。

WA2はすごい。途方もない。

そして私は結局麻理さんとかずさのどちらかに未だ決められないでいる。

私の中の私は断然麻理さんと思っているのだが、私の中の春希が常に、いいやかずさだと喚いて仕方ないのだ。

まあ、決めなくてもいいか。どうせそのうちまた別のヒロインが躍り出てくるだろうしね。