ショコラ、パルフェ、シュクレ、さあどれが一番?
実は私、この三作品の評価、同じくらいなんですよ。
ちなみにNG恋も同じくらいです。
その上にこんにゃく、さらに上にWA2って感じになってます。
一般の評価だとパルフェ>ショコラ>シュクレでそれぞれの不等号の間には大きな隔たりがあると思います。
しかし私はシュクレが大好きです。パルフェに負けないくらいに。
まず三作品に共通して喫茶店経営ものであることが言えます。
ショコラはすでになかなか儲かっている店の経営を任される。
パルフェではかつてうまくいっていたが無くなった店を復活させる。
シュクレもうまくいっていた店を立て直すという意味ではパルフェと近いです。
しかしパルフェの主人公がキュリオの主要人物だったのに対し、シュクレでは主人公はリバーライトと深い関係はありません。ただ前からたまに来店していたというだけです。
そしてシュクレは主人公がやってくる前はゼロどころかマイナスでした。なんせ従業員一人で料理すらロクにできない人間ですからね。ゲテモノ料理を提供して客から見放されたところが開始点。
その点パルフェはゼロからのリスタート、ショコラはプラスからスタートなんです。
つまり逆境っていう意味で言うとシュクレが一番なんですよね。
一番喫茶店として苦悩するのもシュクレ。他二作品、特にショコラは喫茶店経営にはあまり足を突っ込みません。
まあそれがどうしたって話ですが。別にそれが面白さを規定するわけでは一つもないです。
ただ私はシュクレの手探り感が好きです。なかなかうまくいかないけれど地道に進んでいくのが楽しかったです。
ショコラとパルフェの良さは個別ルートにありましたが、シュクレの良さは共通ルートと全体の統一感だと言えると思います。
個別についてもう一つ。
シュクレはキャラ格差がほとんどないです。みはるルートだけ少しシナリオが雑かなという程度。
パルフェも全員魅力的ですが、一つだけ頭のおかしいほどレベルの高いルートがありましてそれが邪魔をして他のルートがしょぼく見えます。
ショコラは二ついいルートがありまして、他は結構劣るって感じです。
突き抜けている部分で評価するのか、全体で評価するのか、これは難しい問題ですね。
やる順番にも大きく左右されると思います。
私は攻略前に事前情報なんて入れないので、パルフェを里伽子からクリアしました。
次にカトレア。もうわかりますね。
そう。どんどん尻すぼみになっていっちゃったんですよ。
そのせいで心証が悪いというのは大いにあると思います。
ショコラは翠からやって最後に香奈子とやりました。
シュクレでは一番気に入らない子から攻略しました。
つまり言いたいのは、一番気に入りそうなキャラの攻略はちゃんと最後にしましょうねって話です。
エロゲはどういう風に読み進めるかを自分で決められるのがいいところだと思います。
しかし選択には、やはり責任があるんですよね。
技術もあります。
自分の性格に合わせたルート選択順の判別方法を見つけておくことがエロゲで最も重要なプレイングスキルだと言ってもいいです。
あとシュクレは甘いですね。ストレスがほとんどないです。
軽い気持ちでプレイできます。
パルフェとショコラは丸戸さんが作っただけあってどでかい話になりますからね。
気合が必要です。
キャラデザもいいですね。現代的で、進化したねこにゃんの実力が遺憾なく発揮されてます。もはやゆずソフト的なキャラゲーと言っても過言ではないのかも知れません。
丸戸さんの作品はほんとにリアルですからね。
深崎さんもなかむらさんも丸戸さんの作風に引きずられて絵柄が変わったって言ってるくらいなんでね、カラッとした萌えはあまり期待できない部分がある。
まあその分信じられないくらい深いレベルで感動させて来るのでおつりが返ってくるくらいですけど。
とにかく、シュクレは完成度が高い最近のキャラゲーをしっかりと体現できています。
Hシーンに関してはシュクレは一歩劣ります。セックスに葛藤を持ち込ませたら丸戸さんは世界一ですからね。仕方ないです。
音楽はシュクレが一番好きですね。既存の喫茶店っぽい曲調に囚われずにシンセなんかを使ってポップに味付けしたのは正解だったと思います。OPもいいです。
パルフェはスタンダード版の音楽は好きです。
ショコラはHシーンの曲が大好きです。
ちなみにNG恋は酷いですね。十曲くらいしかないんでめっちゃ飽きます。
システムは時代を追うごとにどんどん改善されていますね。シュクレはかなり遊びやすいです。ショコラはあまりにお粗末です。それすら味と感じるにはもう少し修業が必要そうです。
主人公について言いますと、一番強いのはパルフェの仁ですね。あの甲斐性は誰にも真似できません。かっこいいです。
ショコラの大介はなよっとした部分がありますが変な所で強かですね。あまり好きではないタイプです。
シュクレの景一は影が薄くて無個性気味です。仁を現代風に少し薄めたって感じですかね。最近の主人公は結構薄味な人が多いですからね。北原なんとかとかいう人は超キャラ濃いですけど。まあ、景一も締める所は締めてくるんでご安心を。
薄味って言うとシュクレ全体の味付けが薄めなんでね。主人公ばっかり濃くても仕方ないんで丁度いいかなと。
主人公についてもう少し。全員家庭に問題があります。
一番ひどいのは仁ですかね。いや、景一かも。
仁は兄と両親を失いましたけど高村家に引き取ってもらって優しく育ててもらってるんですよね。
景一は母が家から出ていき、父は海外出張でほとんど家にいない。つまり孤児みたいなもんだった。そこをみはるという幼馴染の家によくしてもらっていた。
どっちが酷いかは簡単に決められませんけどもとりあえず家庭に問題はあると。
そしてその問題が一番深くに据えられているのがパルフェ。次にシュクレ。
そしてショコラはまあ味付け程度って感じ。
まあこれも特に良し悪しには関係ないですが、戯画の喫茶ものの根底にあるテーマは家庭なんですよね。
まず丸戸さんの作品全て家族に深いつながりを持ってるんですが、シュクレもかなり家庭の問題が取りざたされます。
丸戸さんに関してはおそらく、家庭というよりは社会を描くうえでの最小単位としての家庭をさけることが出来ないって意味合いが強そうです。
しかしエロゲ全体、ひいては日本の恋愛全体が家庭っていう概念に強く影響を受けているのは否定できないと思います。
恋愛と結婚と出産そして子育てまでが一体になっているんですよね。私はあまりいい傾向ではないと思っていますけど、それは今回は関係ないので置いておきます。
エロゲだと大抵個別に入ると共通で培ったグループみたいなのから一気に切り離されて二人だけの世界に入りますよね。丸戸さんの作品だとグループから出ずに、あくまでその中に特別な関係の二人がいるって感じになるんですよね。
例えば、NG恋。あの長屋のメンバーは理が誰とくっついても一緒にいてくれますよね。
こんにゃくもそうです。二人である以前に七人なんです。
そういうところは丸戸さん、やっぱりしっかりされているなあと思います。
喫茶店も一人ではできませんからね。
それをテーマにする以上、恋愛はある意味二の次ですから。
そういう意味で、喫茶店っていうのが一つの新たな家庭なんですよね。
だから戯画喫茶ものをやるうえで私が重視してしまうのがやはり共通ルートであり、全体の調和なんです。
身寄りのない人たちが集まって、家族みたいな温かい絆を紡ぐ様はまさに感動ですね。
心が温まります。
本当に大事なのは血のつながりじゃなくて、精神的なつながりなんだっていうのをしかと教えてくれます。ありがとう!
いやあ早く第四弾でないかなあ。