新感覚やれやれ系主人公、梓川咲太
今期ホットな男キャラと言えば巽幸太郎、そして梓川咲太だ。
なお一番嫌いなのはグリッドマンの友人のあいつだ。生理的に無理だ。
六花ちゃんに酷いこと言うわ、自分は外で見ているだけなのに指図するわ本当にありえない。
まあそれはいい。今は咲太の話だ。
彼の一番の美点は、苦しんでいる人の傍にいてあげられることだ。
性急に無理な解決を迫らず、人の心に寄り添った方法を模索していける。
必要とあらばガッツも見せられる。
彼はスーパーマンなのだろうか。
それだけでなく、ファニーガイでもある。
双葉や国見と見事な掛け合いをみせ、ヒロイン達には毎日元気にセクハラ発言を繰り返し、ステレオタイプな鈍感系とは違い繊細な心の機微に気づき、恋の駆け引きも楽しめる。
彼女を作って身を固めるのも早い。それはヒロイン達に対し非常に誠実で好感が持てる。
ハーレム系主人公は大抵の場合最終巻まで告白を先延ばしにし、複数のヒロインに気を持たせ続ける。これはよく考えればひどいことで、現実ではあまり見られないことだ。嘘だ。まずハーレムが現実で見られない。
ともかくこのことから咲太にはリアルな実体感があると言える。
さらに言及しておきたいのは、彼がスマホを持っていないことだ。
私はそういう流されない人間が好きだ。周りの目を気にしない人間が大好きだ。
欠点らしい欠点が見当たらない。強いて言うなら困っている人を見捨てられなさすぎることだろうか。過剰におせっかいを焼くその姿は、何かの代償行為としてやっているのではないかと私を少し心配にさせる。
まあ偽善だ善だの議論はどうでもいいじゃないか。大事なのは行動自体だ。
そして現にそれに救われた人間がいることが全てだ。
それにしても、完璧すぎるキャラクターはあまり好印象を持たれないはずなのに、完璧に近いナイスガイ咲太が好印象なのはなぜだろうか。
巧妙におバカを装っているからだろうか。必要な時しかその力を発揮せず、普段は脱力しているからだろうか。
まったく作者は人物造形がうまい。これはjust becauseでも感じたことだ。
キャラが非常に現代的で、扱う問題も若者の悩みに即し、取り組み方も思想も今風なのだ。
どこでこんな現代的な若者のセンスを手に入れたのだろうか。非常に興味深い。